台風にも名前がある!?台風のなるほど雑学

台風のニュースが多くなってきました。夏から秋にかけては、台風の季節でもあります。
日本に上陸する台風が最も多いのは8月。続いて9月、7月、10月となります。
知っているようで、意外と知らない台風のこと。台風シーズンのいま、学んでみましょう。
台風が生まれる仕組みは?
熱帯の海で生まれます。熱帯の海は、太陽の強い照りつけで水温が高く、暖かな空気と一緒に海水の水蒸気が空へと立ち昇っていきます。これを上昇気流といいます。
水蒸気はやがて雲となり、そこに周りからどんどん湿った空気が吹き込んできます。地球の自転の影響で、吹き込んでくる風は反時計周りです。雲はますます巨大になり、やがて反時計回りの風の影響で回転を始めます。
これが台風発生の仕組みです。
ちなみに、台風は海水の温度が27度を超えると発生するといわれています。
「台風」「ハリケーン」「サイクロン」のちがいは?
日本で「ハリケーン」が発生したというニュースは聞いたことがありませんね。アメリカでは「台風」ではなく「ハリケーン」についてのニュースを耳にします。また、海外のニュースで、たまに「サイクロン」の被害を伝えるものもあります。
台風、ハリケーン、サイクロン。この3つはどうちがうのでしょう。実は、3つとも同じ熱帯低気圧。発生した場所によって呼び方が変わってくるのです。
●台風
太平洋北西部または南シナ海の熱帯低気圧
●ハリケーン
大西洋北部・太平洋北東部・太平洋北中部の熱帯低気圧
●サイクロン
インド洋北部・インド洋南部・太平洋南部の熱帯低気圧
3つの呼び方は場所によって変わってくるので、例えば、インド洋で生まれたサイクロンが太平洋北西部に移動したら「台風」になり、台風がインド洋北部に移動したら「サイクロン」になります。
日本では、最大風速が34ノット以上の熱帯低気圧を「台風」と呼んでいますが、これはあくまでも日本基準。「台風=タイフーン」と思われがちですが、タイフーンは国際基準では最大風速が64ノット以上となっています。
ハリケーンとサイクロンは、どちらも国際基準で64キロノット以上となります。
台風の特徴は?
●右側が危険なワケ
台風はうずを巻きながら、上空の風や地球の自転によって北へ向かっていきます。
「台風の右側が危ない」といわれているのを知っていますか?日本が位置する北半球では、台風の右側は反時計回りの風の向きと、台風の進行方向が一致するため、風がさらに強くなるため危険なのです。
●台風が弱まるワケ
台風が上陸後に勢力を弱めていくのは、エネルギー源である海水からの水蒸気の供給がなくなるためです。また、地上との摩擦も影響しています。
●沖縄が「台風上陸数ゼロ」のワケ
毎年、台風の被害にあっている沖縄。ところが、台風上陸数はゼロとされています。それは、上陸の定義が「台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合」となっているからです。
つまり、ここに沖縄が含まれていないため、数字上ゼロとなっているのです。沖縄に台風が来ても、「通過」「接近」という言い方がされます。
ハリケーンの名前の由来は?
日本では「台風○号」と数字で呼ばれていますが、アメリカのハリケーンには名前がつけられていますね。
最初にハリケーンに名前をつけたのは、オーストラリアの気象予報士で、嫌いな政治家の名前をつけていったそうです。
その後、第二次世界大戦中に、アメリカ軍の気象専門家が自分の妻やガールフレンドの名前をつけていきました。そのため当初は女性の名前だったのですが、1979年以降は男女平等の観点から男性の名前もつけられるようになりました。
ちなみにハリケーンは、女性の名前のときのほうが被害は大きくなっています。これは、女性の名前だとソフトなイメージのため、油断や軽視する人が多いためだといわれています。
台風にも名前がついている?
2000年から台風にも名前がつけられるようになりました。命名するのは、東アジアの14ヵ国からなる「台風委員会」。ひとつの国がそれぞれ10個ずつ命名し、計140個の名前を順番に当てていきます。
日本がつけているのは星座の名前で、「ヤギ(やぎ座)」、「ウサギ(うさぎ座)」、トカゲ(とかげ座)」などです。
第1回目の台風の名前は「ダムレイ」で、カンボジアで「象」を意味しています。1つ目の「ダムレイ」から140個目の「サオラー」まで達したら、また「ダムレイ」に戻るシステムです。
2015年でいうと、台風13号はミクロネシアによる「ソウデロア」(伝説上の首長名)、14号はフィリピンによる「モラヴェ」(木の名前)、15号は韓国による「コーニー」(白鳥)となっています。
地球温暖化の影響は?
地球温暖化の影響で、今後、熱帯低気圧は増加すると見られています。
日本では毎年、台風によるたくさんの被害があり、さらにここ数年は豪雨発生数が増えています。
台風シーズンのいま、いざというときに備え、水や食べ物、懐中電灯やラジオを用意しておきましょう。