熱中症予防に「牛乳」がイチオシ!その理由とは?

毎年500人近い人が命を落としている熱中症。特に8月は熱中症になりやすい月なので注意が必要です。
近年、熱中症を予防する飲み物として「牛乳」が注目されています。
なぜ熱中症予防に牛乳が効果的なのか、その働きをご紹介しましょう。
そもそも熱中症とは?その症状は?
熱中症とは、高温な環境に長時間いることによって、体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温調整ができなくなることで起こります。症状として、体温上昇、めまい、だるさなどがあり、重症になると、けいれんや意識障害など命にかかわる事態となります。
最近では、室内にいるときにかかる「室内熱中症」が増加しています。
熱中症は、その症状に応じて3つのレベルが設けられています。
●レベル1(軽症)
症状:めまい、失神、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、手足のしびれなど
●レベル2(中等症)
症状:頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感など
●レベル3(重症)
症状:レベル2の症状に加え、意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温、肝機能異常、腎機能異常など
レベル1(軽症)のめまいや失神、こむら返りは水分を摂ることで症状が改善されますが、レベル2(中等症)、レベル3(重症)の場合は、医療機関での治療が必要です。
熱中症予防には「牛乳」がおすすめ
人気テレビ番組で「熱中症予防には牛乳がいい」と紹介されたのが話題になっています。
なぜ牛乳が効果的かというと、たんぱく質が豊富に含まれているから。牛乳のたんぱく質効果を生かすには、体を動かしたあとに飲むのがポイントです。
運動後にたんぱく質を摂ると、アルブミンという成分が作られます。
このアルブミンは水分を保持する働きがあるため、血液中のアルブミンが増えると、血液そのものの量が増えます。
血液の量が増えると、汗をかきやすい体になります。汗をかくことで体温が下がりやすくなり、体温調整がうまく働くため、暑さに強い体になるのです。
牛乳を飲むベストタイミングは?
ちょっと速めのウォーキングを「30分」した後、「30分以内」に、「300ミリリットル」の牛乳を飲むのが効果的とされています。
もちろん、ウォーキングは日中の暑い時間帯を避けること。そして、日頃あまり体を動かさない人は無理をしないことが大切です。
熱中症は予防したいけど、牛乳は苦手……という人は、同じくたんぱく質を含むヨーグルトやチーズでもOKですが、最も消化吸収にすぐれているのが、ホエイたんぱく質を豊富に含む牛乳なのです。
牛乳は、熱中症に負けない体づくりの最強ドリンクといえるでしょう。
水を飲むほど脱水症状になる!?怖い「自発的脱水」
熱中症にならないために水をよく飲むようにと、昔から言われていますが、そこには思わぬ落とし穴があります。
大量に汗をかくと、水分とともに塩分(ナトリウム)も失われます。その状態でただの水をたくさん摂ると、血液の塩分濃度が薄くなり、これ以上塩分濃度が下がらないように体が水を受けつけなくなります。つまり、水を飲みたくなくなるのです。
同時に、薄くなった塩分濃度を上げようとする働きが起こり、余分な水を尿として排出するため、さらなる脱水症状に陥ります。これが「自発的脱水」です。
生命をおびやかす「水中毒」の恐怖
自発的脱水よりさらに恐ろしいのが、マラソンなどで死亡例も報告されている「低ナトリウム血症」いわゆる「水中毒」。自発的脱水が続くことによって引き起こされます。
水の過剰摂取により血液中の塩分濃度が低い状態になり、重症になると脳浮腫、昏睡、けいれんなど生命の危険にもつながります。
水中毒を防ぐためには、一度に大量の水を飲むのではなく、こまめに分けて飲むこと。30~1時間ごとにコップ1杯の水を飲むのが目安です。また、大量に汗をかいたときは、水分と同時に塩分の摂取を忘れずに。
もし、水中毒の症状が現れたら、すぐに医療機関に行きましょう。
梅干しと塩昆布でおいしく熱中症予防
日常のなかで手軽に熱中症を予防するなら、塩分とミネラルを含んでいる梅干しや塩昆布がおすすめ。水と一緒にお茶うけとして簡単に摂取できます。
ただし、食べすぎは禁物。特に高血圧の人は気をつけてくださいね。