
「産後クライシス」。あなたは聞いたことがありますか? その名のとおり、出産後、夫婦に訪れる危機のことで、妻が夫に愛情を感じなくなることが原因です。
かわいい赤ちゃんが誕生したのに、夫婦の関係はギスギスし、最悪の場合は離婚につながるケースも!
あなたにも訪れるかもしれない産後クライシス。どう乗り切ればいいのでしょう。
なぜ起こる!?「産後クライシス」の正体
産後クライシスは数年前、NHKの番組「あさイチ」で取り上げられ、名づけられた現象です。
いままではラブラブだったのに、出産をきっかけに夫への愛情が急速に冷め、嫌悪感を抱くまでになる……。これが産後クライシスです。離婚に至る場合もあるのだから、まさに出産後の夫婦の危機!
「あさイチ」によると、出産後2年以内が最も危ないそうです。
それを裏づける驚きのデータが!!
ベネッセ次世代育成研究室によると、妊娠期は約74%の女性が夫を愛していると実感しているのに、子供が2歳になるとなんと34%まで減少。夫を愛している女性は、3人に1人しかいなくなってしまうのです。
出典:ベネッセ次世代育成研究室
夫を愛せなくなる……その理由は?
出産後に夫を愛せなくなる女性は、なぜこんなに多いのでしょう。
いくつかの原因が考えられています。
母親スイッチがオン
自然なことですが、出産することで女性は母性が強くなり、母親スイッチがオンになります。いちばん大切なのは赤ちゃんで、本能的に赤ちゃんを守ろうとします。夫のことは眼中になくなるどころか、赤ちゃんに汚れや雑菌をうつす存在に見えることも。
ホルモンバランスの変化
妊娠中と出産後で、ホルモンバランスが大きく変わります。そのため自律神経が乱れ、イライラしたり怒りっぽくなったりし、夫のちょっとした言動にも我慢できなくなります。
また、授乳中に分泌されるプロラクチンというホルモンの影響で、性欲がなくなることから、夫に嫌悪感を抱くようになります。
生活スタイルの激変
女性は出産することで生活スタイルが大きく変わります。それは男性とは比べものになりません。自分は寝る間も惜しんで子育てしているのに、いままでどおりのん気に暮らす夫にイライラ……。
しかも、友人に愚痴をこぼすひまや余裕もなく、ますますストレスが溜まっていきます。
「こんな夫はいらない!」妻たちの叫び
育児をしない夫
最近「イクメン」がクローズアップされていますが、日本の男性はまだまだ育児に積極的ではありません。
女性は「育児は夫婦でするもの」と思っていますが、男性は「育児は女性の役目」とどこかで思い込んでいる人が多いのです。
家事をしない夫
「休みの日くらいゆっくりしたい」これはよく聞く夫の主張。でも、ママになった妻には休みはないのです。それなのに、ひとりで遊びに行ったり、テレビやスマホを見ながらゴロゴロしたり……。そんな夫は邪魔者でしかなくなります。
自覚のない夫
赤ちゃんが泣いても「泣いてるよ」と言うだけで何もしない。育児で大変な妻に平気で甘え、わがままを言う。おしめを取り替えるのは無理だと言う。……そんな父親の自覚のない夫は苛立ちの原因でしかありません。
失った愛情は戻ってこない!
産後クライシスの厄介なところは、ほとんどの場合、一度起きてしまうと元通りにはならないこと。夫への愛情は戻ってこないのです。
さらに、妻の愛情の低下や苛立ちの原因に気づかない夫が多いため、時間とともに修復不可能な状態になってしまいます。
産後クライシスにならないために
夫に産後クライシスを知ってもらう
出産前に、夫と産後クライシスについて話しましょう。夫への愛情が低下することや、ホルモンバランスが大きく変わることなど、また離婚につながるケースが多いことも伝え、産後クライシスを夫婦ふたりで乗り越える準備をしましょう。
してほしいことははっきり言う
夫にイライラして物を乱暴に置いたり、大きくため息をついたり、ドアを思い切り閉めたり……。そんなことをしても、残念ながら夫は何も理解できません。夫にどうしてほしいのか、はっきりと言葉で伝えましょう。
イクメンを求めすぎない
完璧に育児ができる男性はいないと割り切ることも大切。自分と同じレベルを求めず、半分以上できたら合格点をあげましょう。そして「ありがとう」に加えて、褒めることも忘れずに。
褒められると満足感と達成感が生まれ、もっとがんばろうとしてくれます。