働く大人女子を襲うマタハラ!負けないために知っておくべきことは?

妊娠・出産を経験し、子供を育てながらも、いきいきと働く大人女子はたくさんいます。
でも、マタハラの被害は増えるばかり。堂々と妊婦健診に行き、産休・育休を取り、子供が熱を出したときは看護休暇を申請する……これはすべて当然の権利なのです。
マタハラから身を守るために、これだけは知っておきたいことをお届けします。
なんと派遣社員の半分がマタハラを経験!
妊娠や出産を理由に、職場で不当な扱いを受ける「マタニティーハラスメント」。通称「マタハラ」。
ご存じの方も多いと思いますが、先日、厚生労働省から驚きの報告がありました。
派遣社員のなんと48%が、マタハラを経験したことがあるというのです。
【マタハラ経験者の割合】
●派遣社員 …… 48%
●正社員 ……… 21%
●契約社員 …… 13%
●パート ……… 5%
マタハラの内容は、上司などから「迷惑」「辞めたら?」など嫌がらせを言われたケースが半数近くで、「解雇」と「雇い止め」がそれぞれ20%もありました。
マタハラについての実態調査は今回が初めてでしたが、社会問題にもなっているマタハラの深刻化が浮き彫りにされました。
「本人の能力がない」が会社の言い分
厚生労働省は今年の1月に、女性が降格や解雇など不当な扱いを受けた場合、その前に妊娠や出産をしていたらマタハラとみなす、といった内容の通達を出しています。
労働局に寄せられたマタハラの相談は、2013年度は3371件で前年比より20%増えましたが、2014年秋からさらに急増しているそうです。
会社側は解雇などの理由を妊娠や出産ではなく「本人の能力がないため」と主張するケースが多くみられます。
嫌がらせも暴言も法律違反!
女性には、働きながら妊娠や出産をし、産休や育休を取る権利があります。
これらを理由に、会社から不当な扱いを受けたらそれはマタハラ。法律違反です。
マタハラの種類は、嫌がらせや暴言、解雇、雇い止め、配置転換、降格、給与カットなどがあります。
知らないと損をする!働く女性の権利を知ろう!!
女性が、妊娠や出産、育児をしながら働くことができるように、いろいろな制度があります。ですが、意外と知らない女性も多いのです。
いちいち教えてくれる会社は少ないので、自分と子供を守るための権利をしっかり知っておくことが大切です。
妊娠期~子供が1歳までに受けられる制度
妊娠期は、つわりなどの体調不良や妊婦健診で会社を休むこともあります。それを理由とした解雇や減給は禁止されています。
●妊婦健診を受ける場合、勤務中でもそのための時間を確保してもらえます。
●ラッシュを避けるために通勤時間をずらしてもらうことができます。
●時間外や深夜勤務が無理な場合、制限してもらうことができます。
産休・育休はすべての女性が取れる制度
パートやアルバイトだからと、産休・育休をあきらめていませんか?
特に、産前・産後休は雇用形態に関係なく、すべての女性が取得できる制度です。
●パート・アルバイトを含め、すべての女性が産前(出産前6週間)・産後休(出産後8週間)を取得できます。
●子供が1歳になるまで育児休を取得できます。パート・アルバイトでも一定の要件を満たせば取得できます。
●保育所に入れないなどの事情がある場合、1歳6ヵ月まで育児休を延長できます。
●産休・育休のあいだは社会保険料の負担が免除されます。
子供が病気で看病しなきゃ!こんなときに利用する制度
小学校に上がる前の子供がいる場合、「子の看護休暇」を取ることができます。子供が1人なら年に5日、2人以上なら年に10日取得できます。
これは育児介護休業法で定められているため、会社側は「いま仕事が忙しいから」といった理由で拒むことはできません。
休業中の給料は?手当は?出る?出ない?
産休・育休も、看護休暇も、そのあいだの給料については特別な取り決めはありません。
そのため、ほとんどの場合が無給となります。
そのかわり、会社員や公務員として働き続ける女性を対象に、健康保険組合や共済組合などから「出産手当金」が支給されます。支給される金額は、標準日額の3分の2です。
パートやアルバイトでも健康保険に加入していて、保険料を支払っていれば対象となります。ただし、出産手当金は、産休後、仕事に復帰することが条件となっています。
また、国民健康保険には出産手当金がないので注意してください。
「これってマタハラ?」そんなときの窓口
マタハラは泣き寝入りしないことが大切。「これってマタハラでは?」と思ったら、各都道府県の労働局雇用均等室に相談しましょう。匿名でもOKで、相談は無料です。
また、「なんでも労働相談ダイヤル」は、マタハラはもちろん、パートやアルバイトの不当な扱いの相談も受け付けています。
そのほか、会社の労働組合、個人で加入できる労働組合に相談する方法もあります。