「医療保険は損をする」はウソ?ホント?医療保険が必要な人・不必要な人

ある調査によると、日本では8割以上の世帯が医療保険に加入しているそうです。
でも、最近は「医療保険は損をする」「医療保険は入らないほうがいい」という意見が多くなっています。
そこで、医療保険はほんとうに損をするのかどうか考えてみましょう。
「医療保険は損をする」これってほんと!?
万が一の入院に備える医療保険。
「医療保険に入ると損をする」とよく言われていますが、ほんとうなのでしょうか?
答えは、イエス!医療保険は、基本的に加入者が損をするようにできています。
その理由は、医療保険は「商品」だからです。
商品を売ることによって企業(=保険会社)は儲けなければなりません。
ですから、毎月支払う保険料のなかには、保険会社の利益や経費が含まれているのです。
宝くじをイメージしてください。ほとんどの人が損をしていますよね。医療保険も同じです。
1日に2万1000円もかかる?でも大丈夫なんです!
「万が一、入院したとき病院代が高くつくから」こんな理由で医療保険に入る人が多いようですね。
たしかに病院代って高いですよね。
生命保険文化センターの調査によると、入院1日につき平均で2万1000円もかかるそうです。
これは治療費だけではなく、食事代や差額ベッド代などを含めた金額です。
ということは、1ヵ月入院したら?
2万1000円×30日=63万円
63万円もかかるの?ほら、やっぱり医療保険に入らなきゃ!・・・そう思った人は、日本の保険制度を知らない人です。
日本には「高額療養費制度」があります。この制度があるので、たとえ30日入院しても63万円も払う必要はないのです。
「高額療養費制度」は絶対に知っておこう!
「高額療養費制度」は、保険証を持っている人なら誰でも対象になる制度。
1ヵ月に支払う医療費の上限が、所得によって決められています。
平均的な所得(月収28~50万円程度)だと、上限は8万+α円です。
病院からの請求額が62万円でも、8万+α円しか支払う必要がありません。
ですから、毎月高い保険料を支払ってまで、万が一の入院に備える必要はないといわれています。
じゃあ、8万円+α円が支払えない人は医療保険に入ったほうがいいのかというと、それも微妙なところ。
ただ、起こるか起こらない万が一のために、保険料を払うのはもったいないといえます。
食事代のために保険代に入る必要はありません!
食事代や差額ベッド代は、高額療養費制度の対象外。
じゃあ、食事代のために医療保険に入るという考え方はどうでしょう?
食事代は、2017年現在、1食につき360円(2018年から460円になる予定)。1ヵ月だと3万2400円ですね。たしかにまとまった金額になりますね。
でも、食事代は入院してもしなくてもかかるもの。食事代を心配して医療保険に入る必要はないでしょう。
会社員なら「疾病手当金」があるじゃない!
病気やケガで収入がストップしたときに備えて、医療保険に入るという考え方もあります。
ただ、会社員の場合は「疾病手当金」という保障制度のことも覚えておきましょう。
病気やケガで会社を休んだとき、4日目から最長1年半までは、手取り金額の約3分の2が支給されます。
これは入院だけでなく、自宅療養でも支給されるので、医療保険より手厚いといえるでしょう。
ただし、国民健康保険にはこの制度はありません。
ですから、自営業や個人事業主などフリーランスの方は、収入がストップするリスクを考えておきましょう。
いまは短期入院がほとんど!だから損をするんです!
入院はどんどん短期化しています。多くの場合、1ヵ月も入院しません。
例えば、毎月5000円の保険料を支払い、入院保障は1日5000円だとします。この場合、20日入院したら10万円の給付金が支給されますね。
これは、20回分(1年8ヵ月分)の保険料にあたります。
ということは、1年8ヵ月ごとに20日の入院をしないと、もとが取れないということです。
長期入院に備えるなら、保険内容をチェックして!
長期入院に備えたい人もいるでしょう。
ここが盲点なのですが、医療保険には「1入院60日」など、1回の入院につき最大何日分まで給付金を支払うか上限が決められています。
保険に加入するなら、この上限を必ず確認しましょう。
「1入院」にはもうひとつ、思わぬ落とし穴が!
「1入院」の意味は、「同じ病気が治るまでの入院」のこと。
例えば、40日入院した人が退院したとします。ところが再発して、またすぐに入院して今度は30日入院したとします。
これは「1入院」としてカウントされるので、オーバーした10日分は給付金が出ません。
「保険よりも貯蓄しよう」がいまの新常識!
基本的に医療保険は損をするようにできています。そして、医療費をカバーするさまざまな制度もあります。
ですから、「保険に入るなら、その分貯金したほうがいい」という考えが主流派です。
実際にどれくらい貯金したら良いかというと、
<貯金額100~200万円>
入院に備えるには、これくらいの貯金がないと生活に支障が出るでしょう。
医療保険は、基本的に掛け捨てなので、貯金がない人は、お金が貯まるまで、安心のために最低限の保険に入っておくというのもひとつの方法です。
こんな人は医療保険を検討してもいいかも!
医療保険は損をするから入っちゃいけないというわけではありません。
入院への備え方や考え方は、人それぞれ。
特に、こんな人は医療保険を検討してもいいかもしれませんね。
・「疾病手当金」のない自営業やフリーランスで、収入ストップに備えたい人
・計画性がなく、毎月きちんと貯金できない人
・貯金がなくて入院費が払えそうもない人
・損をしてもいいから「安心」を買いたい人
・長期入院や繰り返しの入院に備えたい人
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